Android技術者認定試験とは、日本の一般社団法人OESF(Open Embedded Software Foundation)の実施している試験で、その名のとおり「Androidに関する技術力を認定する」ことを目的としています。この試験には「アプリケーション技術者向け」と「プラットフォーム技術者向け」があり、前者は「ベーシック」と「プロフェッショナル」の二つのレベルに分かれています。ただし、プロフェッショナルは2015年6月現在では準備中です。また、後者も「ベーシック」となっていますから、将来的に「プロフェッショナル」が追加される可能性があります。この「プラットフォーム技術者向け」の試験で問われるのはAndroidというOSそのものに対する知識(OSの開発や改造方法など)ですから、みなさんが興味を持たれるのは「アプリケーション技術者向け」の試験でしょう。
現在受験できる「Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック」は、Andorid用アプリを作るための知識を問う試験です。OESFのサイトで「模擬試験」として例題が公開されていますが、「AndroidのOSバージョンとAPIレベルの正しい関係を示せ」「次のレイアウトファイルによって生成される画面はどれか選べ」といったものです。実際の試験では制限時間90分の間に、このような問題を70問、四択で答えていくことになります。「ベーシック」の問題のレベルはあくまでも「基礎知識」とされていますが、合格ラインは70%ですから、開発経験者でもある程度の準備が必要になるかもしれません。
IT系の資格と言えば情報処理技術者試験などが有名ですが、そうした資格は対象が広すぎるため、「Androidの開発能力があることを示す」ために利用するのは難しいでしょう。その点、OESFによるこちらの試験はAndroidに特化しています。本来OESFが想定しているターゲットは現在開発の仕事をしている方なのでしょうが、「まだ開発に携わったことが無くても認定が得られる」という点で、実績を持たない未経験の方のための資格とも言えます。現在、多くの企業がAndroidアプリの開発者を求めていますが、この試験に合格していれば転職の際に胸を張って自分の能力をアピールできるでしょう。また、もしも不合格になったとしても、アプリ開発の重要な部分を集中して学んだのですから無駄にはなりません。どうしても合格したければ、2回目は30日間、3回目以降は60日間すぎれば再受験も可能です。
この試験では、実際にEclipseなどを使ってアプリを作るわけではありません。したがって、問題集を見て問題と答えの傾向を調べておけば、まだアプリを作れるレベルの能力が無くても合格できる可能性があります。もちろん、問題集の中の問題がそのまま出てくるわけではありませんから丸暗記ではいけませんが、何も考えずに公式サイトの「試験範囲」に書いてある項目をすべて覚えるよりは効率的です。